「1万1000円ネ」
店のママが金額を書いた伝票を持って来た。
頭の中でざっと計算してから財布を取り出して言われた料金を支払う。
「マッテテネ~!」とハグをしてキスをして来たルビーを受け止めてから階段を降り
外に出ると小雨だった雨が本格的な雨になっていることに溜息をつきながら
ローレルを停めた駐車場へと歩いて行った。
「この雨には参ったな・・・ 車の外に出て待っていてもしょうがないな」
と考えながらアイドリングをさせたままの状態にしている
ローレルのドライバーズシートに座りながらLARKを咥えると
ジッポーのオイルライターで火を着けた。
「そういやぁ、この時間にやっているレストランって
ファミリーレストランしか知らないな・・・ どうするか」
その頃にはフィリピンレストランと言うモノがあるなんて
存在すら知らなかった南野は窓から出て行く煙を眺めながら考え始めた。
「オイデェ! オニイサン イエ オシエルカラ」
ルビーが交差点の先にある白いマークⅡの前に立って手招きをする。
ドアを開けてマークⅡへ小走りで行くと・・・
そこには強面でガタイのいい男が運転席に座っている。
「どうも、南野です。はじめまして」
マークⅡの窓越しに挨拶をする。
「これからルビーと食事に行くんだってね。で・・・
コカコーラの工場がある場所は知っているかい?」
ルビーの義兄と紹介された男が穏やかに話をすることに少しホッとしている。
「クヤ ダイジョブダヨ キョーヘーハ プロフェッショナル ドライバーダカラ」
ルビーが横から口を挟む。
「ルビーは黙っていなさい。 で、知っているのかな?」
嗜めるようにルビーに言った男に
「えぇ、知っていますよ。それで・・・ そこからどう行けばいいんです?」
心の中では「そこから複雑な経路を通るのだったらどうしよう?」等と考えている。
「こっちの方から行って・・・ 交差点を右折してくれれば
後はルビーが説明出来るよ」
にこやかに言った男を安堵の表情になった南野が
「そうですか、それなら大丈夫ですね。では、ちょっと行ってきます」
と言葉を発しルビーと一緒に歩き出す。
ルビーは南野の腕に自分の腕を巻きつけながら嬉しそうに歩いていた。
「結局、ここか・・・」
国道沿いにある24時間営業のファミリーレストラン。
ルビーと南野はコーヒーを前にして話を始めた。
「ん? コーヒーだけでいいのか?」
「ウン、オナカ スイテナイダカラ」
恥ずかしそうに微笑むルビーを見ながら
「だったらレストランなんか来るって何で言うんだよ」
と思い、少々呆れている。
自分の妹が結婚して日本に住んでいることは聞いたが
あまり話をしていない状況に不安を覚えながら「そろそろ帰ろうか」と声をかける。
それに同意したルビーをローレルに乗せ、教えてもらったランドマークを目指した。
ナビゲーションをしていたルビーのアパートに到着する。
少し高台にあるアパート下にアパートの駐車場があり、そこにローレルを停める。
「アリガト タノシカッタヨ」
とルビーは顔を寄せて来た。
「オヤスミのキスだな」と思いながら南野がルビーの肩に手を回す。
「ンッ・・・・」
ルビーの吐息が漏れる。顔の角度を変えながら
唇を重ねている南野の口の中に
柔らかなルビーの舌が差し入れられて来た。
5分は続いたであろうか、長いディープキスの後
ルビーは自分で助手席のドアを開け「オヤスミ」と投げキスをしてから
アパートへと続く階段を登って行った。
ついさっきまで沈みがちだった雰囲気が一気に解消されたような気分になって
軽快に自宅へと向けてローレルを走らせていた・・・・
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