翌日の仕事中にルビーの妹のクレアから電話がかかって来た。
「おぅ、久しぶりだな。どうした?」
「アコ アタラシイオミセノ ママニナルヨ」
「それは良かった、おめでとう」
「キョウヘイ。オミセニ キテクレル? オミセ オープンノヒハ オカネ イラナイヨ」
「あぁ、いいよ。開店の時間には間に合わないかもしれないが・・・」
そんなやり取りをしながら電話を切った。
クレアの店が開店するのが2週間後。電話を受けたその週末は
冴羽達と新しい店へと顔を出すことになった。
冴羽がミラクルで指名していたフィリピーナが同じ繁華街にある
とあるビルの3階にあるフィリピンパブへと移籍したのだ。
初めて行くその店で・・・「アナタ ミタコトアル」
と席に着いた女の子から言われる。
「そう? 俺は初めて会うと思うけど?」
と烏龍茶の入っているグラスを傾けていると・・・
「ア~~!! ルビーノ ボーイフレンド!!」
と冴羽のところにやって来たフィリピーナが叫ぶ。
「何で知ってる?!」
驚きながら尋ねると、そのフィリピーナも
ミラクルに在籍していたことがあると言う。
「うへぇ、やっぱりアルバイトのフィリピーナってのは
店を結構変わるものなんだなぁ・・・」
と溜息をつきながらLARKを口に咥えた。
「ルビー オーバースティデ ツカマッタヨ モウ ニホンニ イナイヨ」
と言う説明に
「へぇ・・・ そういえばあの住宅街のあるフィリピンパブに
入管が入ったって噂は聞いていたけど・・・ そうか、ルビーが捕まったのか・・・」
なんとなく力が抜けたような。ホッとしたような気分になって時間を過ごし
その店を出た。
「南野って冷たいよなぁ」
冴羽が笑いながら声をかけて来る。
「なんで?」
「だってそうだろ? 彼女が捕まってフィリピンに強制送還されたって喜んでいるんだから」
南野の運転する車の助手席に座って
自動販売機で購入したコーヒーを飲みながら冴羽は笑う。
「ってゆ~か、もう終わってるんだしさ、それにヤツにはフィリピンに子供もいる・・・
子供のためにはいいんじゃないの?」
ステアリングを操作しながらそんな会話をして冴羽を自宅に送り届ける。
そして、その翌週。クレアがママとなる店が開店する。
開店祝いを持ってドアを開けると、その店はボックスが3つほどしかない
本当に小さな店であった。
「開店おめでとう。じゃ、これお祝いね」
と祝儀袋を渡し、ボックスシートに座るとそこにはクレアの夫が座って酒を飲んでいた。
「どうも、お久しぶりですねぇ」
「やぁ、元気だったかい?」
「えぇ、まぁ・・・」
そこに、ミラクルで南野がルビーの後で指名をするようになった
キャンディや、ミラクルのスタッフをしていたキャンディの従兄弟がやって来た。
「ん? なんでここにいるんだよ」
「アコ ココデ オテツダイ」
「へぇ・・・ そう・・・」と反応しながら
「なんか身内ばっかりだなぁ・・・」と苦笑する。
「ところで新しいフィリピーナの彼女は出来たのかい?」
クレアの夫が声をかけて来た。
「いいえ、出来ませんよ。最近はちょっと仕事が忙しくなってしまって
そんなに頻繁に店にも行ってないし・・・」
「そんなことじゃダメだな。やっぱりな、フィリピーナを恋人にするには
1ヶ月は毎日店に通ってやらないとな」
「ふむ・・・ そんなもんですかねぇ?」
「あぁ、そうだよ。俺なんかも良く通ったモンさ」
「ソウヨ キョウヘイ。マイニチ オミセキナサイ」
そこでキャンディが話に割り込んでくる。
「そうだねぇ・・・ そのぐらい夢中になれるフィリピーナがいるといいねぇ・・・」
焼酎の水割りを口に運びながらそう答えると
「キョウヘイ! アコノコト ムチュウジャナイカ!!」
と言いながら『バチン!!』と南野の肩を叩く。 店内には笑い声が響き渡った。
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