「キョウヘイ バギオマデ アト1ジカン ナ
デモ、アコのナナイのアテのバハイ行くよ。 (私のお母さんの姉の家に行くよ)
今日ソコに泊まる。夜は危ないダカラ‥‥
それからアコのアサワ(私の旦那さん)をみんなに紹介スル」
南野はコーラを飲みながら言った。
「分かった。それに山賊が出ても困るし、しょうがない‥‥」
「山賊が出るの!?」
南野の言ったことに加藤が驚く。
お気楽気分が一気に吹っ飛んだ様子だ。
「まぁね。山賊なんて中南米だけの話じゃない。
フィリピンのジャングル、夜の山道だってとっても危険なんだ。
俺、ちょっとタバコ吸ってくる。店内全面禁煙ってのは困るよな‥‥」
南野ははそう言うと、席を立ち外に出た。
マルボロにジッポーのライターで火を着け紫煙を燻らせる。
フィリピン特産のタバカレラ、アルハンブラの葉巻が妙に吸いたくなる。
暫く道なりに走ってから右折すると
メイの母親の実家に到着した。
交通事故で下半身が麻痺している加藤を
カローラから降ろすのを手伝い
家の中に入ると、メイの家族は暖かく迎えてくれた。
小学校4~5年生ぐらいと思われる親戚の女の子たちは
日本人である南野と加藤を遠巻きに眺めている。
「AKO SI KYOHEI MINAMINO
ITO SI AKIN MAGA KAIBIGAN NI MR.SIGEO KATO,
IKINAGAGALAK KONG MAKILALA KAYO.
(私は、南野恭兵です。こちらは、私の友達の加藤滋雄です。
皆さんにお目にかかれて嬉しいです)」
簡単にタガログ語で自己紹介をすると
メイの親戚は南野がタガログ語を話すのに驚いている。
それからは、英語とタガログ語がごちゃまぜになった会話で
メイの親戚達とコミュケーションを取った。
しばらくするとメイの母親の兄夫婦が姿を見せた。
「MANO PO (ご挨拶を)」
と、南野は差し出されたその右手を自分の額に当ててから
「IKINAGAGALAK KONG MAKILALA KAYO. (お会いできて嬉しい)」
とフィリピンスタイルの挨拶を交わす。
子供たちは早速CDのカラオケセットを持ち出して来た。
南野もつきあいで一曲披露する。 英語で歌い慣れたカーペンターズの
"Ther's A Kind of Hush"
南野は、CDを何回も繰り返し聞きながら一緒に歌い
歌詞カードを見ずに歌えるなるまで、つまり暗記してから初めて
カラオケを披露することにしている。
カラオケの歌がずっと流れながら夜は更けて行った。
南野が眠るスペースは、その家の娘の部屋があてがわれた。
「Have a good sleep」
と挨拶してからシャワーを浴び、Tシャツとトランクスの格好でベッドに潜る。
タオルケットもかけずに扇風機から送られて来る風を
常に受けながら眠りの世界に入って行った。
「Good norning!!」
と朝の挨拶をして洗面所で顔を洗う。
コーヒーが用意されていたので、早速マルボロに火をつけ
モーニングコーヒーを味わう。
一緒に出してくれたチーズサンドの朝食を済ませ
バタバタと出発の準備が始まった。
どうやらメイの従姉妹とその娘たちも同行するらしい。
慌しく車に乗り込むと目的地 "バギオ" に向けて出発した。
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