翌日、自分の部屋に配達された「まにら新聞」では
「エストラダ大統領が不正蓄財で逮捕された」
と言うことと
在マニラ日本大使館では
「大統領を支持する勢力がデモをしているので
日本人はケソン・シティ周辺にはあまり近づかないように」
と言う警告を出していると報じている。
「あれま・・ 90%ぐらいの支持率のあった
エストラダちゃんが逮捕されちゃったか・・・
暴動とかに発展しなきゃいいなぁ・・・」
と驚きながらモーニングコーヒーを口に運んでいる。
フィリピン旅行中、南野はフィリピーナやフィリピーノと
「政治や宗教の話」と言うのを一切していない。
ビジネス上の会話のタブーではないものの
それらが彼らとの関係を壊してしまうことに
なりかねないと言う考えからであった。
「もう、今回の滞在でケソン・シティに行くことはないから
大丈夫だと思うけど・・・」
等とマジメなことを考えていたかと思ったら・・・
「もう、あそこにいるマグノリアちゃんとデート出来ないな・・・
もっときっかけを作ってデートに誘えば良かった・・・」
と、邪なことも同時に考えている(笑
「人間はしたことによる後悔よりも
しなかったことによる後悔の方が悔いが大きい」
なんて言う言葉を思い出しながら朝食を終え
いつもと変わらない食事代とチップを
ウェイトレスのマグノリアに渡してレストランを出た。
チェックアウトの準備をしていると
メイの家族が洗濯をしてくれたシャツに
フィリピンの洗剤独特のニオイが
付いていることに気がついた。
「なんかヘンなニオイだなぁ・・・」
等と思いながら荷造りを終え、ベルボーイが持って来た台車に
スポーツバッグを預けてしまうと、少し寂しいような気持ちで
ホテルの部屋を出る。
チェックアウトの手続きから空港までは
信じられないぐらい時の流れが速かった。
「Maraming salamat sa inyo(いろいろとありがとう)」
メイやメイの家族と握手やハグをしながら別れの挨拶をする。
パスポートと航空券を警備員に提示しながら
ターミナルビルの中に入り、JALのチェックインカウンターで
空港職員からの英語の質問にタガログ語で答えると言う
とんちんかんなことをやらかしながら(笑
出国手続をしていると
いきなり警察官がこちらの方に走ってくるのが見えた。
どうやら麻薬探知犬が南野の近くにいる人間に反応したらしい。
フィリピーノが警察官に取り囲まれながら取調室のような所へ
連れて行かれるのが見える。
「東南アジアとかだと麻薬犯罪に厳しいからなぁ・・・」
等と思いながら
加藤を迎えに来たフィリピーナの空港職員と一緒に出発ゲートまで移動する。
成田空港を出発した時と同じように
空港職員の案内で、まだ一般客が搭乗していない状態の
JAL742便に搭乗する。
暫くの待ち時間の後・・・
JAL742便は、まだ夏になっていない日本の成田空港に向かって
ニノイ・アキノ国際空港の滑走路から離陸した。
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