「ふわん、ふわん、ふわん」
と段階的に降下していくように感じさせながら着陸していく。
「こんな風に着陸するのか?」
と思いながら飛行機に乗っている南野が
飛行機の窓から外の景色を眺めている。
トタン板の屋根が並び、少し色あせているような印象の
街並みを眺めながら、南野と加藤を乗せている
JAL741便は2時間の遅れでニノイアキノ国際空港に着陸した。
乗客が全員降りるのを待っていると、現地の男性空港職員がやって来た。
どうやら成田空港の時のように出口まで案内してくれるようだ。
しかし・・・ 空港職員と加藤はさっさと
イミグレーションのカウンターを通過してしまう。
南野は仕方なく2人分のパスポートと
入国カードをカウンターにいる係官に渡した。
「観光ですか?」
とイミグレーションの入国審査官は英語で声をかけて来た。
「いや、加藤が結婚するんでその付き添いに・・・」
なんて答えようと思ったが、ここは素直に
「Oo(うん)」
と答えると、入管の職員は少しいぶかしそうな表情になって
「Opo(はい)」
と答えなさいと言う。
「ん? あ、そうか・・・ Opoね」
Poをつけることによって丁寧な言い方の返事になることをそこで思い出した。
「アロハホテル?」と更に簡単な単語で質問をしてくる係官に
「Oo(うん)」と答えてしまう。
すると、もう一度いぶかしそうに「Opo(はい)」と答えなさいと・・・
「あはっ、そうだねぇ。Opo」と照れ笑いをする南野を
その係官の後ろにいるカユマンギの女性職員もクスクス笑っている。
「OK Have a good trip(いいでしょう。いいご旅行を)」
と苦笑しながら入国許可証印のスタンプを押したパスポートと
税関申告書を返してくれた係官に「Salamat po」と声をかける。
少し先に進んだ右側にターンテーブルがあり
まるで日清食品の工場のようにシーフードヌードルが回っているのが見えた。
左側にあるカートを引き寄せながらターンテーブルのところへ行って
自分達が航空会社のカウンターで預けた荷物が出て来るのを待っている。
15分ほどで全部の荷物のピックアップを終え
少し先に進んでいくと税関のカウンターへとやって来た。
「ほい」とパスポートと申告書を係官に渡して待っていると・・・
「シェンエン シェンエン」
と声をかけられる。
聞いていた通り来たか・・・と思いながらも「はぁ?」とすっとぼけてみる。
すると、その係官は他の日本人から受け取ったと思われる1000円札を見せながら
「シェンエン シェンエン」
と繰り返した。
「Walang pera ako(金なんかないよ)」
とタガログ語で言ってみたが、なおも1000円札をヒラヒラさせている。
「このやろ・・」
と思いながらポケットの中に手を突っ込んでみると
500円玉があり、それを取り出して
「これでいい?」
と言いながら見せると・・・・
「あっちに行くか?」と別室の方を指差した。
「しょうがねぇなぁ。時間ももったいないし、カラオケ5曲分だと思って払うか・・・」
と開き直って1000円札を投げつけるようにして係官に渡して
税関のカウンターを通過して到着ロビーへと向かった。
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