「ムッ」とした南国独特の暑い空気に包まれながら歩いて道路を渡り
スロープを下って行くとアルファベットが沢山表示されている
ターミナルのような場所にやって来た。
「ふぅ、やっとタバコが吸える」
とLARKを咥えて火を点ける。6時間ぶりのフレーバーを味わいながら
周りを眺めていると
加藤と同じようにフィリピン人の出迎えを待っている日本人
出迎えをするフィリピン人、そして胡散臭いような雰囲気を持っている
フィリピン人が大勢いるのが見えた。
フィリピン人男性が声をかけようと南野に近づいてくるのを
制服警官が追い払ってくれる。
「Maraming salamat po(どうもありがとう)」
「Walang anuman. Mahirap ang hapones na talaga
(どういたしまして、日本人は本当に大変だねぇ)」
「Ikaw din. Mahirap ang trabaho di ba?(アナタも仕事が大変でしょ?)」
南野がタガログを話すことに
少し驚いたような表情をしていた制服警官と一緒に笑い合う。
彼と簡単なタガログを使いながら話をしていると
その胡散臭い連中達は遠巻きに南野達を見ているだけで
近寄ってくる気配がない。
ニノイアキノ国際空港では、制服警官の姿が目に付く。
「空港を出るまでが危ないと言うとんでもない国だ」
と言うことを聞かされていた南野は、この状況に
「少しは安心できるのではないかな?」
とも考えながらメイを待っていた。
メイの運転するトヨタカローラがやって来た。
トランクを開けて持って来た荷物を放り込み
加藤が車に乗るのをサポートしてやってから
車椅子を折りたたんでトランクの中へと押しこむようにして入れる。
「Thank you Mr.」
今まで一緒にいてくれた制服警官に声をかけてからカローラに乗り込む。
メイは制服警官と何やら話をしてから小額紙幣を渡している。
「チップを渡すのか?」
とも思ったが、それをあまり気にしないようにする。
車の中にはメイの義姉とメイの娘が乗っていた。
「Hi Magandang hapon po, Ikinagagalak kitang makilala.
Maraming salamat sa ngayon
(ハイ!こんにちは、はじめまして今日はありがとう)」
南野がタガログ語で声をかけると、2人は驚いたような表情をしてから
笑顔で返事をしてくれた。
「Ako si Kyohei Minamino ho it kaibigan ni Mr.katoh
(加藤の友人の南野恭兵です)」
と自己紹介をしていると・・・
「キョウヘイ コノチカク ニ ケイトリンガイルヨ」
とメイは運転をしながら声をかけて来た。
「へぇ・・・そう言えばパサイにいるとは聞いていたけど・・・ この辺りかぁ・・・」
ケンカ別れしたままのケイトリンの顔を思い浮かべながらその街並みを眺めている。
TVで良くみるようなコンクリートの塀が連なり
その上には有刺鉄線が張られているその風景を見ながら
少し窓を開けて2本目のLARKに火を点けた。
渋滞にハマっていると様々な物売りが通り過ぎて行くのが見える。
メイは窓を開けてソフトドリンクを売っているフィリピーノに声をかけて
スプライトを人数分購入している。
「悪いんだけど、ミネラルウォーターも2本追加してくれる?」
と声をかけて100ペソ札をメイに渡した。
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