正面にあるゲートをくぐった3台の車が駐車場に停車する。
メイの家族達とみんなでワイワイ騒ぎながら
トランクから荷物を取り出し、ホテルのポーターに渡している。
チェックインの手続を済ませ、いざ宿泊施設の方に向かうと
そこは一部屋一部屋が独立した木造の棟になっているのが見えた。
南国のリゾート地であることを意識しながら部屋まで移動すると
ポーターは台車に乗せられた荷物を部屋の中まで運び入れてくれる。
「こりゃ、チップを渡さないと・・・」
火をつけたばかりのマルボロを咥えながらポケットの中に手を突っ込み
20ペソ紙幣を2枚取り出し、荷物を部屋に入れる作業を終えた
ポーターに渡そうとすると・・・
「それじゃないです」
と言う意思表示をしてから、南野が咥えているタバコを指差した。
「あ・・ タバコでいいのか?」
胸のポケットに10本ほど中身が残っているマルボロ・ミディアムの
ボックスが入っているのを取り出してからポーターに渡してやった。
凄く嬉しそうな表情で部屋を出て行ったポーターを見送り
用意していたトランクス型の海水パンツとTシャツに着替え
メイ、メアリーと加藤にマイカと一緒にビーチへと移動することになった。
メイの家族達は隣にある大きな棟に宿泊するようで
子供達が水着姿でワイワイ騒ぎながら部屋中を走り回っている。
その姿を見ながら車椅子でビーチまで移動する加藤のサポートを
メイの兄達と行う。
波打ち際で遊んでいるメイと加藤を見ていると
「Sige lumangoy ka na (ホラ、あなたも泳ぎなさい)」
とメイの母親に促される。
「じゃ、これを預かってて下さい」
とポケットにあった財布をメイの母親に預けて
海の中に入って行くと・・・
冷たくないぬるま湯のような水温に驚いた。
「ナク! ジェリーフィッシュ!(うわっ! クラゲだっ!)」
と子供達が騒いでいる。
海水の中をよくよく見て見ると・・・
クラゲが自分の回りにうようよいるのが確認出来た。
「オイオイ。マジかよ・・・」
と思っていたが、メイの家族の子供達は嬉しそうに
クラゲをすくっては、遠くに放り投げている。
「キョーヘー!!」
クラゲを投げることに飽きた子供達は
南野の回りに集まり始めた。
体格のいい男の子を捕まえて回転をしながら
海に放り投げてやると・・・
「アコ!(私!)」
「アコ!(ボク!)」
と、子供達が更に寄って来たので
順番に抱え、同じように回転で勢いをつけてから
海の中へ何度も放り投げていたのだが・・・
栄養を十分に摂っている子供達は・・・
かなり重い。
男の子や女の子を30回ほど海の中に
放り込んでやってから、砂浜に戻り
メイの母親に預けていた財布を受け取ってから
シャワーを浴びるために宿泊棟へ戻る。
「ふぅ・・ 子供の相手って疲れるねぇ・・・」
シャワーを浴びて海水と砂を洗い流してから
再びみんなのいる隣の棟に行くことにした。
青い空、青い海・・・ 白い砂浜・・・・
ではない状況に少しガッカリしている南野の耳に
まだ元気に遊びまわる子供達の声が聞こえる。
「もう少し天気がよければ、リゾート気分がもっとあるのに」
と思いながらデッキチェアーに横になり
部屋から持ってきたコークの缶を時々口に運んでいたが
そのままデッキチェアーで眠ってしまったらしい。
「ディナー ニ イクヨ」
とメイに起こされた時には、夕闇が迫っている時刻になっていた。
レストランに移動すると、もうディナーの用意が整っていた。
加藤の隣の席に座った南野に
「今日は子守で忙しかったねぇ・・・」
と言いながら加藤は笑っている。
「本来ならアンタがすることなんだけどねぇ・・・」
とは思っているが口には出さず、声を出して豪快に笑ってごまかしながら
テーブルの上に並べられたフィリピン料理を目にすると
一番先に目に入ったのはインディカ米が炊かれた
ごはんが盛られているプレートであった。
「これ、苦手なんだよなぁ・・・」
と米は盛らずに、焼いた鶏肉などの
おかずだけをプレートに取って、口に運んでいる。
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